学習障害は、全般的な知的発達に遅れはないものの、「読む」「書く」「計算する」といった特定の学習技能に著しい困難を示す発達障害の一つです。
これらは脳の機能的な特性によるものであり、適切な環境調整や指導方法(合理的配慮)によって、お子様の本来の力を発揮できるようになります。
学習における困難はLD単体によるものだけではなく、自閉スペクトラム症(ASD)に伴う集中力の偏りや行間の意味を読み取ることの難しさ、あるいは発達性言語障害(DLD)による語彙力や文法の未熟さが読解や作文の壁となっている併存ケースも少なくありません。
当相談室ではこうした背景を包括的に捉え、多角的な視点から一人ひとりに最適なアプローチを行っています。

お子さんの学習や読み書きの状況に合わせて柔軟に対応いたしますが、基本的には以下のステップで進めてまいります。
まずは、お子様の現在のつまずきの原因を詳しく把握します。
読み書き検査に加え、音韻意識や視覚性記憶、聴覚性短期記憶などの検査を行い、ひとりひとりに合った取り組みを検討します。
アセスメント結果に基づき、お子様に最適な学習メソッド(触るグリフ、ミチムラ式、系統的な指導など)をご提案します。
相談室とご家庭が連携し、スモールステップで定着を図ります。
練習の効果を客観的に確認し、必要に応じてプランをブラッシュアップします。このサイクルを繰り返すことで、着実な成長を目指します。

読み書き検査の実施、読みの土台となる音韻検査や複雑図形の模写検査、読み書きを習得するための方略を見つけるための視覚性記憶の検査や聴覚性短期記憶の検査などを実施し、ひとりひとりに合った取り組みをご提案していきます。
これらの検査結果は、お子様の現在の立ち位置を客観的に把握することができます。また、学校への音声教材の利用申請や、入試・試験における配慮申請(合理的配慮)の際にも、客観的な根拠資料として活用できます。
お子さんの学年や学習状況に合わせ、最適な検査を組み合わせて実施します。これらの結果は、学校への合理的配慮(試験時間の延長や音声教材の利用など)を申請する際の客観的な根拠資料としても活用いただけます。
| 分類 | 検査名 | 内容・目的 | 時間のめやす |
| 読み書き | STRAW-R | 読み書きの正確性と速度を学年別基準で評価 | 20〜30分 |
| URAWSS II | 小中学生の読み書きの流暢性と理解を評価 | 10〜20分 | |
| 認知・記憶 | DN-CAS | 4つの側面から認知力を評価し、学習の方略を探る | 60〜90分 |
| Rey複雑図形検査 | 図形の模写を通じた視覚認知・構成力の評価 | 10〜15分 | |
| Rey聴覚性言語学習テスト | 耳から聞いた情報の記憶や定着度を評価 | 10〜20分 | |
| 言語・音韻 | LCSA 学齢版 | 言語理解、表現、コミュニケーション力の評価 | 45〜60分 |
| ELC | 読み書きの土台となる音韻処理能力の評価 | 10〜15分 | |
| 抽象語理解力検査 | 概念的な言葉の理解度を評価 | 10〜20分 |
*一部の知能検査、言語検査には別途料金がかかります。
*一部の検査はオンラインでは対応が難しいため、対面での実施が必要です。
触読学習シート触るグリフ: 視覚だけでなく「触覚」を活用し、文字の形と読みを脳に定着させます。
※各家庭での購入が必要な教材です。当室での指導は2〜3ヶ月(3〜5回)程度がめやすです。

ミチムラ式漢字学習法: 漢字をパーツに分解し、「唱えて覚える」ことで、視覚的な記憶の弱さを補います。
音韻意識トレーニング: 文字と音を結びつける基礎力を高め、たどたどしい読みの改善を目指します。
文法や語彙、文章の理解に苦手さがある場合は、読み書きの練習と並行してことばの基礎を高める指導を行います。多義語や抽象的な表現の理解、筋道を立てて説明する力の育成など、学年に応じたサポートを行います。
本人の努力だけで困難をカバーし続けることは容易ではなく、お子様の自尊心を守るためにもICTの活用や環境調整といった「代替手段」を取り入れることは極めて重要です。
具体的には、タブレットを用いた音声読み上げやタイピング、音声入力といったツールの導入練習を行うとともに、枠の大きな解答用紙の使用やルビ振り、課題量の調整など、学校で実際に受けられる具体的な配慮について共に検討を重ねます。
学校での宿題調整や試験時間の延長、ツール導入などを求める際に提出する報告書・意見書を言語聴覚士が作成します。
※作成には別途料金をいただく場合がございます。