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通級指導教室(通級)とは?どんな支援が受けられて、誰が対象なの?

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2025.06.06 更新

「さしすせそが言えなくて、授業中に手を挙げたらないみたい…」「学校の勉強、ついていけてるかな?」 子育てをしていると、お子さんの発達や学校生活について、ふと心配になる瞬間があるかもしれません。そんなとき、頼りになる選択肢の一つが「通級指導教室(つうきゅうしどうきょうしつ)」です。

今回は、この通級指導教室とはどういうものなのか、どんなお子さんが利用できるのか、そして利用する上でのちょっとした課題と、私たち「ことばの相談室ことり」がお手伝いできることについて、分かりやすくご説明します。

通級指導教室とは?

通級指導教室とは、小学校や中学校に在籍しているお子さんが、普段は自分のクラス(通常の学級)で過ごしながら、週に数時間程度、別の教室に通って個別の支援や指導を受ける制度のことです。いわば「特別支援教育のオーダーメイドレッスン」のようなイメージです。

どんなお子さんが対象なの?

主に、発達に少し特性があったり、学習面やコミュニケーション面で困難さを抱えていたりするお子さんが対象となります。

例えば、

話すことでの困りのあるお子さん

発音の誤り(構音障害)や、吃音(どもり)など、コミュニケーションの基盤となることばの課題がある場合

読み書き、学習に困りのあるお子さん

全体的な知的発達に遅れはないものの、「読む」「書く」「計算する」「推論する」といった特定の能力を学んだり使ったりすることに著しい困難がある場合

注意欠如・多動症(ADHD)傾向のあるお子さん

不注意(集中力が続きにくい、忘れ物が多いなど)や多動性・衝動性(じっとしていられない、順番を待てないなど)といった特性により、学校生活や学習面で困難さを抱えている場合

自閉スペクトラム症(ASD)傾向のあるお子さん

対人関係やコミュニケーションの特性、限定された興味やこだわりなどにより、集団生活への適応が難しい場合

その他、情緒障害や視覚障害、聴覚障害のあるお子さんなどが対象となる通級指導教室もあります。

大切なのは、お子さん自身が「学びたい」「できるようになりたい」という気持ちを持っていること、そして、ほとんどの時間を通常の学級で過ごせる状態であることです。

どんな指導を受けられるの?

通級指導教室では、専門的な知識や経験を持つ先生が、一人ひとりのお子さんの特性や困難さに合わせて、個別または少人数のグループで指導を行います。

例えば、

言語通級のお子さんには
・・・正しい発音の練習、スムーズな会話のためのコミュニケーションスキルの指導など。
LD・ADHD通級のお子さんには
・・・読みやすいフォントや教材の工夫、集中力を高めるための声かけや環境設定、学習計画の立て方、ソーシャルスキルトレーニングなど。

指導の目標は、お子さんが抱える困難さを軽減・克服し、本来持っている力を発揮できるようにすること、そして、自信を持って学校生活を送れるようにサポートすることです。

どこで指導を受けるの?

通級指導教室は、お子さんが在籍している学校内に設置されている場合(自校通級)と、地域の拠点となる別の学校に設置されていて、そこまで通う場合(他校通級)があります。

通級指導教室のメリット

通級指導教室を利用するメリットはたくさんあります。

専門的なサポート

専門の先生から、お子さんの特性に合わせたきめ細やかな指導を受けられます。

個別の教育支援計画

一人ひとりに合わせた「個別の教育支援計画」が作成され、それに基づいた指導が行われます。

自己肯定感の向上

「できた!」「わかった!」という成功体験を積み重ねることで、自信につながります。

通常の学級との連携

通級指導教室の先生と学級担任の先生が連携し、お子さんの情報を共有しながら、学校生活全体をサポートしてくれます。

保護者への支援

家庭での関わり方や学習支援の方法などについて、保護者もアドバイスをもらえます。

知っておきたい通級指導教室の課題点

多くのメリットがある一方で、通級指導教室の利用を考える際には、いくつか知っておきたい課題点もあります。

平日に保護者の送迎が必要な場合がある

特に他校通級の場合は、保護者の方が平日の日中に学校や通級先まで送迎をする必要が出てくることがあります。共働きのご家庭や、下のお子さんがいらっしゃるご家庭などにとっては、時間的・体力的な負担が大きくなる可能性があります。

利用開始までに時間がかかることがある

通級指導教室の利用を希望するお子さんは年々増加傾向にあり、地域や学校によっては、希望してもすぐに利用を開始できない「待機」となるケースがあります。お子さんの困り感に早く対応してあげたいと思っても、数ヶ月~1年程度待つ必要があることも少なくありません。

複数の通級指導を併用できない場合がある

お子さんによっては、例えば「ことばの課題」と「読み書きの課題」のように、複数の領域で支援が必要な場合があります。しかし、自治体や学校の方針、あるいは受け入れ枠の状況により、原則として一つの種類の通級指導教室しか利用できないケースや、併用が難しい場合があります。そのため、最も優先度の高い課題に絞って通級を利用することになり、他の課題への対応が手薄になってしまう可能性も考えられます。

これらの課題は、通級指導教室の制度自体が悪いわけではなく、運用面でのリソースや地域差から生じている側面があります。

そんな時こそ「ことばの相談室ことり」にご相談ください

もし、通級指導教室の利用を考えたときに、上記のような「平日の送迎の負担」や「利用開始までの待機期間」がネックになっていると感じられる保護者の方がいらっしゃいましたら、ぜひ一度ことばの相談室ことりにご相談ください。

ことばの相談室ことりでは、主にことばの発達に課題を抱えるお子さん(言語通級の対象となるようなお子さん)や、読み書き・計算・集中力など学習面での困難さを持つお子さん(LD・ADHD通級の対象となるようなお子さん) を中心に、一人ひとりの発達段階や特性に合わせたオーダーメイドの個別支援を提供しています。
東京都台東区と熊本県熊本市での現地対面相談とレッスン、オンラインでの相談とレッスンをおこなっています。

ことばの相談室ことりが解決できること

柔軟な利用時間・利用方法

通級指導教室のような平日の日中の送迎が難しい場合でも、ことばの相談室ことりでは、保護者の方やお子さんのご都合に合わせて、放課後や土曜日など、比較的柔軟な時間帯でのご相談・個別指導が可能です。これにより、保護者の方の負担を軽減しながら、お子さんに必要なサポートを届けることができます。また、遠方の方はオンラインでの相談が可能です。

早期からのサポート開始

公的なサービスで待機期間が生じている場合でも、ことばの相談室ことりでは、比較的スムーズに初回相談やアセスメント(評価)、個別指導を開始することができます。「困っている今」に対応し、お子さんの貴重な成長のタイミングを逃さず、より早い段階からのアプローチが可能です。

複合的なニーズへの対応と、通級指導の補完

お子さんがことばと学習の両方など、複数の課題を抱えている場合、ことばの相談室ことりではそれらの課題に対して包括的にアプローチすることができます。
例えば、言語通級を利用しながら、学習面でのフォローを当相談室で行う、あるいは、通級の待機期間中に当相談室で必要なスキル獲得を目指すなど、通級指導教室のサポートを補う形でのご利用も効果的です。また、通級指導ではカバーしきれない領域のサポートを重点的に行うことも可能です。

もちろん、通級指導教室との併用をお考えの方や、どちらを利用すべきか迷っているという方のご相談も歓迎です。それぞれのメリット・デメリットを考慮し、お子さんにとって何が一番良いのかを一緒に考えさせていただきます。

※通級の利用手続き、利用状況には地域差があります。詳しい内容につきましては、学校の先生(担任の先生や教頭先生、特別支援教育コーディネーターの先生)などにお尋ねください。

おわりに

お子さんの発達や学習について気になることがあったとき、保護者だけで抱え込まず、学校や専門機関に相談することはとても大切な一歩です。通級指導教室もことばの相談室ことりも、お子さんの健やかな成長を願う点では同じです。

ことばの相談室ことりでは、お子さんの「できた!」を増やし、保護者の方の不安を少しでも和らげるお手伝いができればと考えています。まずはお気軽にお問い合わせください。

(文・堀美月)

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―おしらせ―

熊本県熊本市中央区に、ことばの相談室ことりの2号店となる、
「ことばの相談室ことり くまもと桜町」が開室しました。

■ 所在地
熊本県熊本市中央区桜町1−28
桜町センタービル 406号室
※複合施設サクラマチクマモトからすぐ近くです