「うちの子、どうして?」「何度言っても伝わらない…」 子育ての悩み、一人で抱えていませんか?この記事では、そんな悩みに寄り添う「ペアレント・トレーニング(ペアトレ)」と、ことばの相談室ことりのサポートについてご紹介します。
ペアレント・トレーニング(略して「ペアトレ」)とは、保護者の方がお子さんの行動や発達について理解を深め、より良い関わり方を具体的に学ぶためのプログラムです。
「トレーニング」と聞くと少し難しく感じるかもしれませんが、専門家と一緒に、お子さんが安心して成長できる環境づくりを目指す、いわば「親御さん向けのほめ方レッスン」のようなものです。
特に、発達に特性のあるお子さん(例えば、ADHDや自閉スペクトラム症と診断された、またはその傾向があるお子さん、ことばの発達にゆっくりさがあるお子さんなど)を育てているご家庭で活用されることが多いのですが、実は様々なお子さんの子育てに役立つヒントがたくさん詰まっています。
一般的にペアレントトレーニングは、数名~十数名の保護者の方がグループで集まり、数週間~数ヶ月にわたって定期的に行われることが多いです。専門家(医師、臨床心理士、作業療法士、言語聴覚士など)が講師となり、講義を聞くだけでなく、ロール・プレイング(役割演技)やグループワークを通して、具体的な対応方法を実践的に学びます。
主な内容としては、
なぜそのような行動をするのか、その背景にあるものを学びます
子どもの良い行動を増やし、自己肯定感を育む関わり方を学びます
子どもに伝わりやすい指示のコツを学びます
問題行動を減らすための具体的な方法を学びます
などがあります。
プログラムの内容は、実施する機関や対象となるお子さんの年齢・特性によって多少異なります。
ちなみに… このコラム記事を書いていることばの相談室ことりの堀は、ペアレント・トレーニングの研修を受講し、実際に保護者の方々へのペアレント・トレーニングを実施してきた経験があります。
その経験を活かし、日々のことばのレッスンや保護者の方からのご相談に、ペアトレの視点を取り入れています。
ペアレント・トレーニングの一番大きな目的は、「保護者の方の関わり方が変わることで、お子さんの行動や情緒が安定し、健やかな発達を促すこと」です。
例えば、お子さんがよく癇癪(かんしゃく)を起こしたり、なかなか言うことを聞いてくれなかったりすると、「どうしてうちの子だけ…」と悩んでしまいますよね。
でも、その行動の裏には、お子さんなりの理由や発達の特性が隠れているのかもしれません。
ペアトレを通して、そのような行動の背景を理解することで、ただ感情的に叱ってしまうのではなく、
といった、具体的な対応方法が見えてきます。保護者の方の「なるほど!」という気づきが、お子さんを支える大きな力になるのです。
そしてこれらの考え方は、言語療法の中でも多く活用されています。
ペアレント・トレーニングの考え方は、リッカムプログラムやDCMアプローチといった主要な吃音介入法の実践に大いに役立ちます。
例えば、親御さんがお子さんの発話を適切に強化したり、話すことへの「要求」と「能力」のバランスを調整したりするスキルを身につけることで、より効果的な支援が可能になります。
ペアレント・トレーニングは、以下のような場所で実施されています。
お住まいの自治体のホームページで情報を探したり、かかりつけ医に相談してみるのも良いでしょう。
ことばの相談室ことりでは、個別相談を通じて、ペアレント・トレーニングの視点を取り入れたアドバイスや具体的な関わり方について、保護者の方お一人おひとりの状況に合わせてお伝えしています。
まずは「こんなことで困っているんだけど…」というお話から、お気軽にご相談ください。
―おしらせ―
熊本県熊本市中央区に、ことばの相談室ことりの2号店となる、
「ことばの相談室ことり くまもと桜町」が開室しました。
■ 所在地
熊本県熊本市中央区桜町1−28
桜町センタービル 406号室
※複合施設サクラマチクマモトからすぐ近くです