お子さんの吃音の症状が突然出たとき、「すぐに相談へ行くべき?」「自然に治るって聞くけど、どこまで様子を見ていいの?」と不安になりますよね。
実は、幼児期の吃音は、特別な介入をしなくても70%から80%の方が自然に改善すると言われています。特に、吃音が出始めてから2~3年の間に治ることが多いです。
そのため、まずは自然治癒の可能性も見据えて、お子さんの楽な発話を促すようなかかわりについて、お伝えしていきます。

吃音の症状が出始めたばかりの時期(発吃から約1年以内)は、まず以下の3つのステップで対応します。
「吃音はよくあること」、「焦らず、穏やかに見守ることが大切」といった、吃音の基本的な情報を専門家から聞き、保護者さんがまず安心することが重要です。
お子さんの吃音を減らすためには、家庭での話し方や聞き方を工夫する「環境調整」がとても有効です。
ゆっくり話す: 保護者さん自身が、普段よりも少しゆったりとしたスピードで話すことを意識しましょう。
最後まで聞く: お子さんの話に割り込まず、最後まで穏やかに聞く姿勢が大切です。
指摘は避ける: 「落ち着いて話しなさい」「もう一回ゆっくり言ってごらん」といった、吃音を指摘したり、修正を求めたりする声かけは避けましょう。
吃音には波があり、相談したタイミングでは吃音がおさまっていることもあります。また、相談場面などの緊張場面では吃症状が出づらいこともあります。
どんな時に吃音が多いか、逆にどんな時にスムーズに話せるかを、保護者さんが簡単にメモ(記録)をしておくことで、その後の状況の変化を確認したり、専門家と相談したりする際に非常に重要な情報になります。
初期対応を始めた後も、3〜6か月ごとに専門家(言語聴覚士、吃音に詳しい小児科医や耳鼻科医など)に定期的に相談し、経過を確認することが推奨されています。
記録の確認: 付けていただいた「ことばの記録」をもとに、症状がどのように変化しているかを確認します。
改善傾向があれば: 吃音が軽くなってきている場合は、そのまま経過観察を続けます。
悪化や変化がない場合: 症状に改善が見られない、または悪化している場合は、家庭での対応(ゆったりとした会話、話す順番を守るなど)をより具体的に見直します。
重度の場合: 経過観察の中で改善が見られず、症状が重度の場合は、積極的な介入を検討します。
経過観察を続けた結果、次のような状況になった場合は、積極的な介入(リッカム・プログラムやDCMなどの専門的介入)を始めるタイミングだと判断されます。
本格的な治療であるリッカム・プログラムなどは、スムーズに進んでも完了までに1年〜1年半ほどの期間を要します。
そのため、小学校に入学する約1年半前(幼稚園・保育園の年中の終わりごろ)までにお子さんの症状が残っている場合は、早めに専門家へ相談することが望ましいとされています。
リッカム・プログラムやDCMについてのコラムはこちら
幼児の吃音の多くは自然に改善するため、まずは焦らず、ご家庭での穏やかな関わりと経過観察が基本となります。
吃音が続く、または悪化する場合は、就学という大きな節目を見据えて、週1回程度の専門的な介入(リッカム・プログラムまたはDCM)の実施を検討します。
どの介入方法を選ぶ場合も、お子さんの状態とご家庭の状況に合わせて、専門家と一緒に柔軟に選択していくことが大切です。
もし、お子さんが急に「あ、あ、あ、ありがとう」のようにことばのはじめを繰り返すなど、「吃音かな?」と感じることがあったら、まずは一度、専門家にご相談いただくことをおすすめします。
吃音の相談先をお探しの場合は、ぜひことばの相談室ことりまでお気軽にご相談ください。お子さんと保護者様が安心して過ごせるよう、お手伝いさせていただきます。
―おしらせ―
熊本県熊本市中央区に、ことばの相談室ことりの2号店となる、
「ことばの相談室ことり くまもと桜町」が開室しました。
■ 所在地
熊本県熊本市中央区桜町1−28
桜町センタービル 406号室
※複合施設サクラマチクマモトからすぐ近くです