「どうしてうちの子が?」「これからどうなるの?」そんな疑問や不安を抱えていらっしゃるかもしれません。まずは、ことばの専門家である言語聴覚士にご相談いただき、お子さんの吃音の状況を詳しく見ていくことから始めましょう。
専門家は、以下のような点を確認し、お子さんの状態を丁寧に把握します。
- どんな風にことばが出にくい?
例:「あ、あ、ありがとう」のような繰り返しか、「あーーりがとう」のような引き伸ばしか、ことばが詰まって出てこないかなど
- どのくらいの頻度で起こる?
- お子さん自身はどう感じている?
- 日常生活で困っていることはある?
これらの情報を整理することで、吃音の背景に何があるのか、そしてこれからどんなサポートがお子さんにとって一番良いのかを具体的に見つけていくことができます。
お家でできること:安心できる「聞く」環境づくり
ご家庭では、お子さんが安心して話せる環境を作ってあげることが何よりも大切です。
ゆったり、おだやかに聞きましょう
お子さんが話している時は、急かしたり、途中でことばを挟んだりせず、最後までゆっくりと耳を傾けてあげてください。「うんうん」「そうなんだね」と、優しく相槌を打ちながら聞いてもらえると、お子さんは安心して話せるようになります。
言い直しは求めないで
ことばがスムーズに出なくても、無理に言い直させたり、間違いを指摘したりする必要はありません。まずは「伝えたい」という気持ちを受け止めてあげることが大切です。
家族みんなでゆったり会話
ご家族の会話も、少しゆっくりとしたペースを心がけてみましょう。穏やかな話し方は、お子さんの気持ちを落ち着かせ、リラックスして話せる雰囲気を作ります。
学校との連携も大切です
進級は、お子さんにとって新しい環境のスタートです。担任の先生に吃音の状況を伝え、理解と協力を求めることで、お子さんはより安心して集団生活を送ることができます。
先生にお子さんの様子を伝えましょう
ご家庭での様子や、特にどんな時にことばが出にくいか(例:授業中の発表、音読など)を具体的に伝えておくと、先生も配慮しやすくなります。
クラスのお友達への理解も大切
担任の先生と相談しながら、クラスのお友達にも吃音について正しく理解してもらう機会を作れると良いでしょう。周りの理解が進むことで、お子さんがからかわれたり、発表をためらったりすることを減らせるかもしれません。
ことばの相談室ことりでできること
評価をもとに、お子さんに合った具体的なサポート方法を一緒に考えていきましょう。ことばの相談室ことりでは、以下のような専門的なプログラムもご提案できます。
リッカムプログラム
保護者の方と言語聴覚士が協力して進める、家庭中心のプログラムです。お子さんがスムーズに話せる機会を増やし、自信を持って話せるようにサポートしていきます。遊びや日常会話の中で楽しく取り組める方法を一緒に見つけていきましょう。
流暢性形成法
吃音が生じにくい話し方を練習し、流暢な発話経験を積むことで、吃音を改善していく方法です。吃音が生じにくい話し方を一緒に見つけていきます。
一番大切なのは「焦らないこと」
吃音の改善には、時間がかかることもあります。「早く治さなきゃ」と焦ってしまうと、そのプレッシャーがお子さんに伝わってしまうことも。
大切なのは、短期的な結果を求めすぎず、長い目で見てお子さんのペースに合わせてサポートを続けることです。ご家庭や学校で、お子さんが「話すって楽しいな」「安心して話せるな」と感じられる経験を積み重ねていくことが、何よりも大切です。
ことばの相談室ことりでは、お子さんとご家族が安心して一歩を踏み出せるよう、全力でサポートさせていただきます。どんな小さなことでも、お気軽にご相談くださいね。一緒に、お子さんの「話したい」気持ちを育んでいきましょう。